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《基礎知識》@

『アラブ人、パレスチナ人、ユダヤ人、イスラエル人って何?』(前編)


2003年6月2日

イスラエルには大まかに分けて三つの宗教があります。一つはユダヤ教。それを信奉する人達をユダヤ人と呼びます。ユダヤ人の場合、信仰する宗教が民族を決定付けますので、ユダヤ人もユダヤ教徒も同義語になります。ユダヤ人は世界中に1200万人くらいいるといわれていて、約500万人がここイスラエルに住んでいます。このイスラエル国籍を持つユダヤ人たちが『イスラエル人』となります。

ほとんどのイスラエル人は1900年代に入ってから世界中のユダヤ人迫害から逃れるためにこの『約束の地』に移民として来ました。母親がユダヤ人なら子供はユダヤ人とされるので、約2000年の間に様々な血が彼らの中には混ざっています。ロシアに住むユダヤ人の肌は真っ白で、エチオピアに住むユダヤ人が真っ黒なのはこのためです。

残り二つの宗教がイスラム教とキリスト教。アルメニア人、サマリア人などの特殊な例を除いて、イスラム教とキリスト教の信徒は人種的にアラブ人となっています。ユダヤ教を持つアラブ人はユダヤ人とされ、アラブ人としては扱われません。アラブ人は近隣のシリア、ヨルダン、レバノン、エジプトばかりでなく二十数ヶ国にのぼる地域に居住し、人口は何億人いるか、ちょっと細かく調べないとわかりません。
正統派ユダヤ教徒の親子
(イスラエル人)


ここで混同してはいけないのが、アフガニスタンやイラン、パキスタン、トルコなどです。これらはイスラム教の国ではありますが、アラブ人の国ではありません。ちょっと乱暴な言い方をすれば、アラビア語を母国語として話す民族がアラブ人と考えることができます。(アフガニスタンはパシュトー語やダリ語、イランはペルシャ語、パキスタンはウルドゥー語、トルコはトルコ語)

このアラブ人の中でもイスラエル国籍を持ち、占領地以外のイスラエル国内でイスラエル人と共存するアラブ人は『イスラエリ・アラブ(アラブ系イスラエル人)』と呼ばれ、あくまで基本的にはですが、イスラエル人と同等の権利を持ちます。大学などでイスラエル人がアラブ人と一緒に勉強しているのはそのためです。イスラエル人は彼らのことをパレスチナ人と呼ぶことは滅多にありません。

パレスチナ人とは、この地でイスラエルが独立する前にあったパレスチナ地方(今のイスラエルとシリア、ヨルダン、レバノン、エジプトなどの一部を含む)に住んでいたアラブ系の先住民の中で、主に占領地区(ガザ、ウェストバンク)、あるいはそこから避難して外国で暮らす、イスラエル国籍を持たない先住アラブ人のことで、多くが難民です(アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアへ移民したパレスチナ人も多い)。

アラブ系住民の中でもキリスト教徒は穏健派とされ、私の知る限りキリスト教徒によるテロ事件はありません(その後2002年にベツレヘムで発生)。イスラエル軍に志願するキリスト教徒すら希にいます。イスラエリ・アラブも今回の暴動(アル・アクサ インティファーダ)が発生するまでは穏健派とされてきましたが、残念ながら状況は変わりつつあるようです。
イスラム教徒のアラブ人男性
後編に続く


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