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* 以下は学研の『教育ジャーナル』6月号に掲載された作品のオリジナルです。
『さくらちゃん、かづや君へのメッセージ』Part2
ラッファは銃撃戦と破壊の町。さくらちゃんとかづや君から預かったお金と文房具を届けるために裏路地を歩いていても銃声が聞こえてきます。
「こんな所によく住めますね」。私が呆れてガイドのモハメド君に聞くと、「アラブ人は先祖から受け継いだ土地に深い愛着と誇りを持って暮らす民族です。だから簡単に引っ越すなんて事できないんですよ」という答えが返ってきました。外にいる子供たちは銃声など気にせず、平気で遊んでいます。多分、日本人の私じゃ、三日も暮らせません。
緑色の装甲ブルドーザー(イスラエル軍)
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ラスミ・アブ・ダハルさん(46歳)一家も家を失った家族の一つ。元気で、いたずらな子供が10人(!)もいます。お金と文房具を受け取ったラスミさんは「平和になったら是非うちに遊びに来てくださいね」とさくらちゃん、かづや君を自宅に招待してくれました!
「でも平和はいつ来ますかねえ?」と尋ねると、ラスミさんは「インシャアッラー(神様しだいですね)」と笑っています。戦争中なのに恐怖や悲しみを感じさせないその笑顔。「人間って本当に強いなあ!」って思いました。
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ラスミ・アブ・ダハルさん一家
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たくさん会ったラッファの人たちの中でも、特に印象的だったのがスレイマン・ラドワン君(16歳)です。スレイマン君に会った時、彼はドアのない小さな部屋で英語の教科書を読んでいました。私があいさつに行っても、スレイマン君は立ち上がることはできません。彼の脚の骨は砕けてしまっているのです。
「僕は今、第二の人生を生きています。本当なら死んでいたはずですから」と言ってスレイマン君は静かに笑います。
およそ3ヶ月半前、イスラエル軍の緑色のブルドーザーが突然、家を壊して入って来ました。その時寝ていたスレイマン君は、崩れてきた壁の下敷きになり、脚の骨が砕けてしまったのです。ブルドーザーの大きなキャタピラは、彼の体すれすれを走り抜けたといいます。でも彼には怒りや悲しみの感情は見られません。彼の表情には『優しさ』みたいなものを感じました。どうしてたろう?いつも優しい家族や友達が近くにいてくれるからかなあ?
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スレイマン・ラドワン君
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ここラッファの人たちは貧しくても、助け合って生きています。困った時には周りの人が親身になって助けてくれる。「ここには孤独や寂しさを上回る『優しさ』がある」と人々は言います。貧しいから助け合わないと生きていけない事をみんなよく知っているのです。
さくらちゃんとかづや君から預かったお金と文房具を渡せたのはたった八家族。でもこの八家族は二人の『優しさ』を忘れることはないでしょう。ラッファに平和が来たら是非とも彼らを訪ねてあげて下さいね。みんな家族のようにもてなしてくれますよ。この貧しいパレスチナの人々と、日本の二人に共通するものは『優しさ』と『助け合い』の心なのですから。 (完)
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